足関節背屈制限を有する者では立ち上がり動作が困難となることが報告されているが,具体的にどの程度の制限 が動作を阻害するのかは明らかとなっていない。そこで,立ち上がり動作を容易に行うために必要な背屈可動域を検討 するために,金属支柱付き短下肢装具を用いて 4 種類の足関節背屈可動域(15°,10°,5°,0°)を設定し,各条件下での 立ち上がり動作と通常の立ち上がり動作を比較したところ,前方分力・垂直分力のピーク値および離殿時の股関節屈曲 角度(体幹―大腿のなす角)に変化が現れた。背屈可動域 5°の条件では前方分力の増加と股関節屈曲角度の減少を認め, 動作遂行に困難感が伴った。背屈可動域 0°の条件では,前方分力・垂直分力の増加と股関節屈曲角度の減少を認め,動 作遂行に困難感が伴った。前方分力・垂直分力のピーク値および離殿時の股関節屈曲角度は立ち上がり動作遂行の困難 感を示す指標となり得ることが示唆され,動作を容易に行うために必要な足関節背屈可動域は 10°以上であることが示 唆された。 キーワード:立ち上がり動作・足関節背屈角度・床反力
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森田 智美, & 宮崎 純弥. (2012). 立ち上がり動作を容易に行うために必要な足関節背屈可動域の検討. 理学療法-臨床・研究・教育, 19(1), 23–26.
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