目的 現在女性の職業生活における活躍を推進し、豊かで活力ある社会の実現が図られているが、母性保護・育児支援などの環境整備は遅れている。男女が共に就労する中で安心して子育てができる効果的な支援体制の構築が求められている。そこで本研究では、都内の保育園での欠席の実態を調査し、保護者の看護休暇の在り方や子育て環境整備について検討することを目的とした。方法 本調査対象は2011年4月から2016年3月迄の間に都内の3保育園に在籍した園児とした。調査は2016年8月1日から31日のうち4日間で、各保育園において、2011年度から2015年度の出席簿または保健記録から対象者の年齢、性別、病気欠席日数のデータを入手した。ただし、調査期間中の1ヵ月間を連続して全て欠席した園児は、該当月の対象者からは除いた。なお本研究は東京女子医科大学倫理委員会の承認を得て行った。(承認番号4040)結果 調査期間ののべ在籍園児数は1,834名(男児989名、女児845名)であった。園児1人当たりのクラス別の年間病欠日数は0歳児が19.3日であった。年齢が上がるにつれ減少し5歳児クラスでは5.4日であった。月別の病欠日数では7月が最も多く6月が最も少なかった。結論 本研究により園児一人当たりの病欠日数は0歳児で一番多いことが示されたことから、保育園に子を入園させた保護者への初年度の看護休暇の拡充が、勤務環境改善につながると考えられた。(著者抄録)
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野原理子, 冨澤康子, & 齋藤加代子. (2017). 保育園児の病欠頻度に関する研究. 東京女子医科大学雑誌, 87(5), 146–150.
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