今回我々は喉頭浮腫を合併したムンプス感染症の1症例を経験したので報告する。症例は23歳女性で、発熱、頸部腫脹、呼吸困難を主訴に近医耳鼻咽喉科を受診し、喉頭浮腫を指摘され、当科紹介受診となった。初診時、触診にて両側耳下腺、顎下腺の腫脹を認めた。また喉頭ファイバースコープにて喉頭浮腫による上気道狭窄を認めたため、即日入院とし、ステロイド点滴およびエピネフリン吸入を施行した。入院後、喉頭浮腫の改善がみられたため、気管切開は施行しなかった。血液検査でムンプス抗体価の上昇を認めムンプス感染症と診断した。耳下腺、顎下腺の腫脹が軽減し、全身状態も改善したため退院となった。ムンプス感染症に喉頭浮腫を合併する例は多くはないが、ムンプス感染症で顎下腺腫脹を認めた場合は、喉頭ファイバースコープにて上気道の状態を評価することは極めて重要であると考えた。(著者抄録)
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小林俊樹, 平澤良征, 宇田川友克, 歌橋弘哉, & 飯田誠. (2008). 喉頭浮腫を合併したムンプス感染症の1症例. 耳鼻咽喉科展望, 51(1), 49–51.
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