わが国の選挙における投票は、原則として自書式投票によることとされてきた。2001年に成立した電子投票特例法は、地方公共団体が条例で定めるところにより当該地方公共団体の議会の議員又は長の選挙を電子投票によって行うことを認めるものであり、わが国選挙の投票に関する制度に新たな局面を開くものである。2002年6月から2004年2月までの間に9市町村の11選挙が電子投票によって行われた。これらの選挙では、開票所要時間が大幅に短縮された。音声による候補者情報の提供が視覚障害者に好評であるなど、電子投票に対する有権者の反応は全般的に良好である。しかし、いくつかのトラブルが発生しており、選挙争訟が提起されたケースもある。国政選挙への電子投票の導入など、電子投票の一層幅広い展開を図るためには、地方選挙において着実に実績を積み重ねて国民の信頼を確立することが最も肝要である。
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田中宗孝. (2005). 新しい投票方式•電子投票の可能性と課題. 選挙研究, 20, 45-56,224. Retrieved from http://ci.nii.ac.jp/naid/130001554895/
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