論理学は世界がいかにあるかとは独立に成 り立つのか.論 理法則が真とされ るのは言語の使用規則のみによるのか.そ してその意味で分析的であるのか. また分析的真理 と事実に基づ く総合的真理 との問に明確な 一線 を画することが 可能かどうか.こ れが論理学の哲学において議論された中心問題であった. ところで量子論理に関してはこのような問題はそもそも成立しないと思われ る.な ぜなら量子論理は量子力学の解釈の問題 と不可分であり,は じめからミ クロ物理学の存在論 と切 り離すことのできない論理だからである.も し量子論 理の法則 も分析的 とすれば 『存在論抜きの論理学(1)』(ナ ーゲル)と い う主張 は空虚であり無意味である.そ れでは量子論理は論理ではないのであろうか. ところが面白いことに 『存在論抜きの論理学』 を主張するナーゲルも,分 析 的一総合的の二分法 こそ 『経験主義の二つの ドグマ(2)』の一つだとしてそれを 批判し連続主義の立場
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藤田晋吾. (n.d.). 量子論理は論理か.
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