本研究の目的は、4週間の排便記録を通して排便パターンの実態を調査し、排便状態の判断基準を検討することである。20歳以上の男女に4週間にわたり排便ごとに便形(水様便、泥状便、普通便、硬便)、排便量(母指頭大、手拳大以上と、その中間)について排便記録をつけてもらった。排便記録は便宜的標本抽出にて224名より回収した。データに不備があるものと疾患による影響が考えられる5名の記録はのぞき、男性50名、女性169名の計219名(平均年齢38±14歳)を分析対象とした。排便パターンはあらかじめ基準をおかず排便状況が似ているもので分類し、排便日数、回数、便形、排便量から帰納的に各基準を抽出して「問題なし(n=147)」、「便秘(n=51)」、「下痢(n=13)」、「下痢と便秘(n=8)」と命名した。薬剤の服用者27名をのぞいた192名での分析においては、「便秘」の排便日数は平均3.5日/週であり、同時に便形や排便量も考慮して便秘かどうかが判断されていた。「下痢」は日数や量よりも泥状便、水様便があることが基準になると考えられた。性別では女性が、年齢では「20歳代」に便秘の傾向が認められた。(著者抄録)
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加藤京里, 菱沼典子, 田上恭子, 加藤木真史, 細野恵子, 田中美智子, … 山崎好美. (2012). 4週間の排便記録による排便パターンの実態調査. 日本看護技術学会誌, 11(2), 28–37.
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