据え置き芳香剤の剤形で二酸化塩素ガスを逐次空中に放散させ,抗ウイルス効果を標榜する製品 の有用性を検証した.冬季の生活空間を想定し室温 23° C,相対湿度 30に設定した 1.8 m 3 の密封 チャンバー内で製品を開封し,試験中ガス濃度を 0.03 ppm を目標として蓋の開閉で調整し,結果 的に実験時間中はほぼ 0.035 0.04 ppm の濃度に維持できた.その中に鶏卵由来の A/愛知/2/68 株 インフルエンザウイルスを含むしょう尿液をネブライザーでミスト化して噴霧し,一定時間後にチ ャンバー内空気 80 L をゼラチン膜でろ過し,膜に捉えたミスト粒子中の活性ウイルス量を測定 し,同製品による空中浮遊インフルエンザウイルスの不活化効果をみた.その結果,今回の実験条 件化では,ガスへの曝露を受けた空間での活性ウイルスの量は対照のそれと変わらず,不活化効果 は確認されなかった. 二酸化塩素ガスによる殺菌,ウイルス不活化の感染制御の実用化のためには,今後さまざまな条 件の下でその殺菌/ウイルス不活化効果の有無を検証していく必要があろう.
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NISHIMURA, H. (2016). Evaluation of the Authenticity of Practical Usefulness of a Commercial Chemical Product that Claims the Virucidal Ability by Releasing Gas of Chlorine Dioxide: Investigation on Inactivation of Air-Borne Influenza Virus under a Room Temperature and Humidity of the Winter Season. Japanese Journal of Infection Prevention and Control, 31(5), 310–313. https://doi.org/10.4058/jsei.31.310
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