図書館のLinked Dataの取り組みに関する意義と背景を,欧米の大学図書館や国立図書館が行っている先駆的な事例を概観することで整理する。図書館による取り組みの背景は,「公共機関のオープンデータとして」の側面と「セマンティックWeb時代の書誌コントロールとして」の側面に分けて考えられる。前者はEuropeanaの取り組みによく表れており,オープンガバメントの流れの中で推進され,その範囲にオープン化したデータの利活用の促進を含むという特徴をもつ。他方,図書館独自の側面である後者は,英国全国書誌のLinked Data化の取り組みや米国議会図書館による各種コード類や典拠データのLinked Data化の取り組みが代表例である。特に,米国議会図書館の取り組みは書誌情報をLinked Dataで作成するためのメタデータ語彙の開発といえる。
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HASHIZUME, A. (2015). Why do many libraries challenge Linked Data? : From the cases of European and American libraries. Journal of Information Processing and Management, 58(2), 127–134. https://doi.org/10.1241/johokanri.58.127
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