内発的に動機づけられていた課題に対して,成績に応じた外的金銭報酬を付加すると,内発的動機は低下する(アンダーマイニング効果)。内発的に動機づけられて課題を行っているときは,外的金銭報酬がなくても,課題開始の合図に対して前頭前野外側部が反応し,課題をうまくこなすことができただけで線条体が反応したが,アンダーマイニング効果によって内発的動機が低下すると,課題開始の合図に対する前頭前野外側部の反応も,課題をうまくこなすことができたときの線条体の反応も,外的金銭報酬なしには見られなくなった。課題で用いる道具を指定されたときと自分で選んだときとでは,後者を人は好み,課題成績も高い。指定されたときは,課題に失敗すると前頭前野腹内側部の活動が顕著に下がったが,自分で選んだときにはそのような活動低下は見られなかった。これらの結果は,内発的動機づけとその変動には,前頭前野の外側部と腹内側部そして線条体が重要な役割を果たしていることを示唆している。
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Matsumoto, K. (2014). Motivation and Brain ─Functional Neuroimaging of Valuation and Motivation. Higher Brain Function Research, 34(2), 165–174. https://doi.org/10.2496/hbfr.34.165
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