と語ったことが最初だといわれている 注1) 。これを契 機に数十年にわたり機械翻訳の研究に多額の投資が なされたが,一向に精度が向上しなかったため,機 械翻訳の研究は衰退していった。その後自然言語処 理技術や計算機パワーの向上などにより,少しずつ 機械翻訳の精度が向上していった。この頃の機械翻 訳は主に人手で整備されたルールに基づくもので あった。 1981年には長尾がアナロジーに基づく翻訳を提唱 した 1) 。これは過去の翻訳用例(対訳コーパス)を組 み合わせることで新たな文の翻訳を実現するという もので,ルールに基づく方法とはまったく異なるア プローチであった。この方法は用例に基づく翻訳 (Example-Based Machine Translation: EBMT) とも呼ばれる。1980年代後半にはI B Mの研究グルー プ が 統 計 的 機 械 翻 訳(S t a t i s t i c a l M a c h i n e Translation: SMT)の研究を開始した。これは単語 の翻訳確率や並べ替えの確率などの翻訳に必要な知 識を対訳コーパスから統計的な情報として学習する ものであり,これを拡張したものが2003年に提案さ れた句に基づく翻訳(Phrase-Based SMT: PBSMT) で,現在でもスタンダードな機械翻訳手法として広 く使われている。 2010年以降はSMTの研究も頭打ち感が広まり,国
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Agency, T. (2017). New paradigm for machine translation: How the neural machine translation works. Journal of Information Processing and Management, 60(5), 299–306.
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