ヘモグロビン(Hb)低値で不採血となった献血希望者の鉄不足量を評価し、貧血の改善方法を検討した。本研究へ同意したHb低値者より6ml採血し、フェリチン、TIBC、血清鉄、可溶性トランスフェリンレセプター(sTfR)を測定した。鉄不足の評価方法として、フェリチン値12ng/ml未満をAIS、Log10(sTfR/フェリチン)>2.07をIDEとした。さらに400ml献血可能Hb値までに必要な鉄量を計算した。なお、検査結果を本人に通知し、貧血程度の把握及び健康管理による貧血の改善を促した。フェリチン値正常者には現病歴、スポーツ歴等のアンケート調査も行ない、さらに58名にsTfRを除く3項目の検査を行った。4項目の検査を行った80名のうち、AIS67名IDE67名(重複66名)だった。58名も加え、対象者138名中AIS81%、不足鉄量200mg以上28%、鉄欠乏と考えにくい者18%という結果が得られた。約8割がAISであり、鉄欠乏状態が高度であった。今後、鉄分摂取のより丁寧な指導と可能ならばフェリチン測定も必要と考えた。また200mg以上の鉄が不足している者には医療機関受診を勧めることとした。一方スポーツ貧血も問題であることもわかった。(著者抄録)
CITATION STYLE
Okubo, R., Nagashima, M., & Inaba, S. (2016). IRON METABOLISM IN BLOOD DONOR CANDIDATES WHO CANNOT DONATE DUE TO LOW HEMOGLOBIN. Japanese Journal of Transfusion and Cell Therapy, 62(3), 441–450. https://doi.org/10.3925/jjtc.62.441
Mendeley helps you to discover research relevant for your work.