Effectiveness of Nifedipine for the Prevention of Preterm Labor: A Case Report

Abstract

症例は35歳女性で、妊娠15週より腹部膨満感が出現した。妊娠21週2日の妊婦健康診査で頸管長27mmと短縮あり、切迫早産と診断され、入院し、リトドリン塩酸塩点滴静注が開始されたが、点滴刺入部上腕に皮疹が出現した。点滴静注を中止し、硫酸マグネシウムの点滴静注に変更した。その後、腹部、右大腿部、外陰部に皮疹が出現、増悪した。薬剤性皮疹が疑われ、治療継続困難と判断され、転院搬送となった。皮膚科外来を受診した結果、薬疹あるいは妊娠性痒疹と診断された。ニフェジピンが妊娠28週6日より内服となった。本邦において切迫早産に適応がある薬剤はβ受容体刺激薬、硫酸マグネシウム製剤の2剤に限定されており、産婦人科医が切迫早産に選択できる薬剤が少ない現状がある。子宮収縮抑制剤による治療が困難であった切迫早産患者に対してニフェジピンが有用であった症例を経験した。