Abstract
利根川と荒川は江戸時代初期には関東平野中央部で合流し,東京湾へ流入していた.現在の利根川は加須低地から鬼怒川下流低地へ本流を移し,また現在の荒川は荒川低地から東京低地に流下している.著者は東京低地の歴史時代・先史時代の地形変遷を皮切りに,利根川・荒川の近世以前の流路や年代を,低地の微地形を手がかりとして考察した.加須低地や中川低地では,かつての利根川河道は自然堤防や河畔砂丘などの発達が手がかりとなるが,渡良瀬川との合流や断片的に残る旧河道などについての解明が望まれる.荒川低地から東京低地にかけては大規模な蛇行流路跡が認められるが,歴史時代にそこに幹川があった記録は認められない.これは堆積物の組成や考古学的データから,利根川の幹川と考えることができ,その年代と河道変遷,流域の火山活動との関係などの解明が必要である.
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Kubo, S. (2023). Unraveling the history of land from the topography of rivers and plains: The case of the Tone and Arakawa River Lowland. The Quaternary Research (Daiyonki-Kenkyu), 62(2), 47–60. https://doi.org/10.4116/jaqua.62.2112
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