Enrollment Rate of Children with Selective Mutism in Kindergarten, Elementary School, and Lower Secondary School in Japan

Abstract

場面緘黙児の幼稚園、小学校、中学校における在籍率を調査した。茨城県南部の学区域にある幼稚園36施設、小学校165校、中学校68校の計269施設・学校を対象にサーベイ調査を実施し、幼稚園14施設、小学校46校、中学校15校から回答を得た。分析対象とした73校のうち場面緘黙児が在籍しているのは29校で、在籍率は39.7%、幼稚園が28.6%、小学校が40.9%、中学校が46.7%であった。1校当たりの平均就学者数は1.6人で、幼稚園が1.5人、小学校が1.7人、中学校が1.3人であった。幼稚園、小学校、中学校を合わせた生徒・児童数21092名のうち場面緘黙児は45名で、在籍率は0.21%にとどまっていた。在籍率は幼稚園が0.66%、小学校が0.20%、中学校が0.16%であり、学齢が高くなるにつれて有病率の減少が認められた。学年別の場面緘黙児の在籍率をみると、幼稚園では3歳時が3.33%、4歳時が0.25%、5歳時が0.47%で3歳時が最も高く、小学校では4年生、2年生、6年生、3年生、5年生、1年生の順に高かった。中学校では1年生が0.27%、2年生が0.11%、3年生が0.10%となっていた。また、男女別でみると、在籍率は1:2.1と女児の方が多かった。