技術情報 Key Words: Natural environmental information GIS, Digital national land information, Maxent (Maximum Entropy Model), Species distribution model, Environmental factors 要旨:自然環境保全基礎調査の第 6 回(1999 ~ 2004 年) ・第 7 回(2005 ~ 2009 年)植生調査では,11572 地点で現地調査が行われ, それぞれの地点の植生に対して統一凡例が付与されている.この中から 20 地点以上で分布が確認されている 53 の森林群集・群落の 空間情報を得た.次に,1 km メッシュで入手できる WI(温量指数) ,CI(寒さの指数) ,年降水量,最深積雪量,地質区分,最大傾 斜角を説明変数として Maxent 解析を行い,それら群集・群落の分布決定要因を抽出した上で,潜在的分布域地図を描いた.そして, 国によって進められ蓄積されてきている植生調査データの活用に係る展望と必要性について,意見を述べた. キーワード:自然環境情報 GIS,国土数値情報,Maxent,生物分布モデル,環境要因 はじめに 我が国では,自然環境保全法に基づく自然環境保 全基礎調査が,環境省によって行われてきている. 「緑の国勢調査」とも呼ばれるこの調査は, 「全国的 な観点から我が国における自然環境の現況及び改変 状況を把握し,自然環境保全の施策を推進するため の基礎資料を整備する」ことが目的となっている (http://www.biodic.go.jp/kiso/fnd_f.html) .多岐にわた る調査項目のうち「植生調査」は,40 年以上に渡っ て継続的に実施されており,1973 年度(第 1 回植生 調査)には 1/200,000,1978 ~ 1986 年度(第 2・3 回) には 1/50,000 の植生図が日本全土にわたって整備さ れた.1989 ~ 1998 年度(第 4・5 回)は,人工衛星 データを活用した第 2・3 回の植生図の修正にとど まったが,1999 年度以降(第 6 回~)は,1/25,000 植生図の作成が新たに進められている(http://www. vegetation.biodic.go.jp/chosa/index.html) .1975 年 度 以 降に作成された植生図は全て GIS 化され,誰もがダ ウンロードして利用することができるようになって いる(http://www.biodic.go.jp/trialSystem/top.html) . 「植生調査」における植生図の作成は,植物社会学 的手法(ブラウン-ブランケ 1964;宮脇ほか 1994) に基づく現地調査と空中写真もしくは衛星画像の判 読をもとに行われている.1999 年度以降の「植生調 特集 生物多様性情報を地図化する
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Kamada, M., Ando, J., Someya, T., & Asai, M. (2014). Mapping potential habitats for 53 forest communities: exemplified usage of data collected through national vegetation survey. Landscape Ecology and Management, 19(2), 91–103. https://doi.org/10.5738/jale.19.91
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