ウ ミツバメ科鳥類は一般に繁殖地で夜行性を示 し,そ の月明かりを避ける習性は昼行性捕食 者を避ける効果があるとされている。大黒島で月夜 と闇夜にかすみ網でコシジロウミツバメを 捕獲 し,抱 卵斑の特徴か ら繁殖個体と非繁殖個体をわけ,さ らに胃内容物を採取 した。月明か りのもとで捕獲数が減少 したが,非 繁殖鳥の比率は月明かりの日と暗闇の日で差はなかった。 したがって,繁 殖活動の強い要求がない非繁殖個体だけが月明かりを避 ける,と いう仮説は必 ず しも支持 されなかった。胃内容物を持 っていた個体の比率 は月明かりの効果も時刻の効果 も 受けなかったが,遅 い時刻 に捕獲 した個体ほど消化 が進んだオレンジ色のオイルだけもってい ることが多かった。 これは,本 種が夜間遅い時刻に頻繁に採食するわけではないことを示唆す る。 綿貫
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Watanuki, Y. (2002). Moonlight and Activity of Breeders and Non-breeders of Leach’s Storm-petrels. Journal of the Yamashina Institute for Ornithology, 34(1), 245–249. https://doi.org/10.3312/jyio1952.34.245
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