本研究の目的は,日本社会の特徴を踏まえたダイバーシティ風土の類型化を行った上で,組織制度との関 係や,その機能を検討することである。多様な企業に勤める社員 618 名を対象にオンライン調査を実施し, その結果を分析した。第一に,ダイバーシティ風土として 5 因子からなる質問項目を作成し,各因子と組織 の人事制度の関係を検討した。その結果,柔軟な働き方を促す制度(短時間勤務やフレックスタイム勤務な ど)がダイバーシティ風土の高さと関係していた一方で,育児休暇制度などの一部の制度には,正負両面の 複雑な関係が見られた。第二に,ダイバーシティ風土が持つ,職場の性別ダイバーシティの心理的影響の調 整効果を検討した。分析の結果,一部のダイバーシティ風土の知覚が弱い場合には職場の性別ダイバーシ ティが離職意図や,低いワークモチベーションにつながっていた。これらの結果は,多様な働き方を受容す る風土の醸成が重要であることを示唆している。
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Masaki, I., & Muramoto, Y. (2017). Functions of diversity climates in highly diverse workplaces, and their relationships with organizational systems. THE JAPANESE JOURNAL OF EXPERIMENTAL SOCIAL PSYCHOLOGY, 57(1), 12–28. https://doi.org/10.2130/jjesp.1519
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