Study on Occurrence Pattern of the Vacant Houses in the Local Hub City

  • Yamanshita S
  • Morimoto A
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Abstract

1. はじめに わが国ではモータリゼーションの進展に伴い,自動車で の移動を前提とした大型店舗や住宅が都市郊外に相次いで 建設され, 市街地の低密化がいまだに進行している. また, 既存の地方都市では中心市街地の建物の老朽化などが進み, 近年,居住者のいない「空き家」の増加が問題となってい る.今後,空き家の増加がさらに進行すると,社会資本の 利用効率が下がり,各自治体の財政圧迫が深刻になるだけ でなく,バス路線の廃止や商業施設の撤退などから地域住 民の生活利便性の悪化が懸念される. また現在の日本は人口減少社会に突入しており,今後さ らなる都市の衰退が予想される.そのため,市街地を中心 部に集約させ,将来にわたって持続可能な都市を目指す集 約型都市への転換が急務となっている. そこで本研究では,集約型都市の形成に向けて,空き家 の増加を市街地の縮退の一つの原因と捉え,その実態を明 らかにすることを目的とする.空き家発生パターンを知る ことは持続可能な都市を形成するための第一歩であり,空 き家の発生を上手に誘導することで,集約型都市への転換 を図る好機であると言える. 2. 本研究の位置づけと分析方法 近年,人口減少期に突入したわが国における都市構造の あり方に関する議論が盛んに行われ,その中で低密度な都 市構造から集約型の都市構造へ転換させるための多くの研 究が見られる. 例えば,金ら 1) は日本全国の都市圏を対象とし,どのよ うに都市構造が変化しているかを明らかにした.また,都 市をコンパクト化した際の環境負荷の軽減効果に関する研 究においては,黒田ら 2) は神戸市を,杉田ら 3) は東京都市 圏を,小島ら 4) は仙台を対象にその効果に関する分析を行 い,それぞれの都市における都心居住や高密度な開発の都 市における有効性を明らかにした. また, 森田ら 5) や谷口ら 6) は全国のデータを用いて都市構 造と交通部門の CO2排出量の関係性を明らかにした.一方 で,環境だけでなく都市における財政に与える影響につい ての研究も見られる.小瀬木ら 7) は市町村道や上下水道を 対象とし維持管理費用の推計を行った.また,石塚ら 8) は 道路の維持管理費用の削減効果を推計した.都市のコンパ クト化に関していくつかの指標を用いて,総合的に評価を 行っている研究として,森本 9) はコンパクト化の指標を財 政面と環境面に着目し,定量的に比較を行った. このように,都市の集約化において様々な研究が見られ る中で,近年では郊外に拡大していた市街地を農地や緑地 などへ転換し,住民の中心市街地への居住を促進する「ス マート・シュリンク(賢い縮退) 」という考えが注目されて いる.市街地の縮退についての研究では,氏原ら 10) は岡山 市の 3 地区を対象に,計画性の乏しいスプロール市街地で は開発と同様に都市撤退も無秩序に進行していることを明 らかにした.また,平田ら 11) は「限界都市」という概念が 存在しうる仮定の中で,その判断基準を明確化するために 都市の衰退パターンを整理,類推を行った.行政コストの 面で,長谷川ら 12) は人口減少下における住宅立地の際に, 地域住民が主体となって行った場合,行政の便益が最大に なることを明らかにした.生ら 13) と佐々木ら 14) は宇都宮 市の水道利用状況から空き家発生の要因や空き家の発生率 の高い地区を明らかにした. 一方で,既成市街地の集約化を図る場合,世帯の転居行 動を把握することが重要である.そのため,住み替え行動 の実態を把握する研究も多くみられる.例えば,古澤ら 15) Recently, the rapid increase of vacant houses has been serious urban problem especially in local city in Japan. However, the occurrence pattern of vacant houses is still ambiguous due to the lack of the information. Therefore, this study focus on the data from the waterworks in the local hub city and examine the period of closing hydrant. The purpose of this study is to clarify the relationship between transition pattern of vacant houses and regional characteristics. As the result of this study, the transition pattern could be represented by logistic curve. Additionally, it was revealed that the vacant houses were generated early from the city center and the area around the station where land readjustment projects have been carried out.

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Yamanshita, S., & Morimoto, A. (2015). Study on Occurrence Pattern of the Vacant Houses in the Local Hub City. Journal of the City Planning Institute of Japan, 50(3), 932–937. https://doi.org/10.11361/journalcpij.50.932

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