本稿では, わが国における子どもとメディアについての近年の研究を, 1. 対象としてのメディア, 2. 環境としてのメディア, 3. 道具としてのメディア, という三つの観点から概観した。対象としてのメディア研究では, 子どものテレビ映像認識における大人と異なる様々な側面が報告されている。また, 環境としてのメディア研究については, 多くの研究者によってメディア接触が子どもにもたらすネガティブな影響が議論されているが, 最終的な結論を求めるためには実証的な研究結果の蓄積が必要である。さらに, 道具としてのメディアについては, 実践において様々なメディアを使った教育支援の試みが報告されているが, メディアの教育的利用を効果的に行うための実証的かつ体系的研究が望まれる。最後に, 現在の研究における問題点を指摘し, 今後求められる研究について論じた。
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DAN, N. (2013). Media and Child Development. The Annual Report of Educational Psychology in Japan, 52(0), 140–152. https://doi.org/10.5926/arepj.52.140
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