行動問題のある人に対する支援技術として2つのタイプの技術を紹介している。 ① 先行手がかり/自己モニタリング方略 ・MotiveAider:ズボンやベルトに装着できるポケベル。下図のとおり、2018年3月現在、Andoroid端末やiPhoneのアプリとして利用できる。この装置は直前の活動や現在の行動を記録するよう促す。例えば2分ごとに装置が振動し、「視線は作業に向いているか」「席についているか」「作業をやっているか」という確認を求められる。介入効果として、ASD児の指示された課題以外の行動の減少(Lagge et al., 2010)が報告されている。キッチンタイマーのような音声プロンプターとは異なり、人目に付きにくいため、他者の注意に干渉しない点が大きい利点。 ・自己確認:定期的に課題従事の有無を自己確認させる介入方法。ADHDのある生徒の課題従事行動の増加(Graham-Day et al., 2010)が確認されている。 ② 結果に基づく方略 ・問題行動が起きたことを自動的に通知する技術 ・コミュニケーションの発信を代替する技術:PECS等 本レビューを通じて、著者は「適切な支援技術の使用には支援技術の使用を含む行動への肯定的な介入について高度に訓練された臨床家が必要である」と説いている。また、PECSのようなコミュニケーションツールの利用については、メッセージの受信者についても訓練が必要なため、その般化可能性を広げるにはIntrotalkerのような音声出力装置の方がよいが、そのような機器の利用はスティグマの問題につながる可能性を指摘している。最後に支援技術が問題行動の抑制あるいは望ましい行動の増加につながっているかどうか、もはや機能していない可能性はないか、を確認するためにも、継続的な評価が必要になると主張している。
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O’Reilly, M. F., Lancioni, G. E., Sigafoos, J., Lang, R., Healy, O., Singh, N. N., … Gevarter, C. (2014). Assistive Technology for People with Behavior Problems (pp. 191–218). https://doi.org/10.1007/978-1-4899-8029-8_7
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