最近の医学や生物医学の進歩により、医療倫理学、より広い意味での生命倫理学が扱ってきた倫理的な問題が数多く提起されている。しかし、このような考察には、基本的に概念的・存在論的な問題が含まれている。例えば、生命の尊厳について語ることは、(1)生命とは何か、(2)その尊厳をもたらすものは何かを知っていることを前提としている。さらに重要なことは、人の権利について語ることは、人として何が重要かを知っていることを前提としていることである。本論文では、「人」という概念を検証し、「人の命」や「人」という言葉が複雑で異質なものであることを論じたい。その上で、人間の生命には複数の意味があるとし、この複数の意味を認識することが医療にとってどのように重要な意味を持つのかを示す。
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Engelhardt, H. T. (1988). Medicine and the Concept of Person. In What Is a Person? (pp. 169–184). Humana Press. https://doi.org/10.1007/978-1-4612-3950-5_8
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