The Function of the Next Generation of Polyphenol "Oligonol"

  • MIURA T
  • KITADATE K
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株式会社アミノアップ化学研究部学術開発室 【要 旨】 ポリフェノールは植物界に広く分布する成分で,抗酸 化活性などの機能を有し,食品工業においても幅広く 利用されている素材である.プロアントシアニジンは カテキンの重合体で,天然に得られるものの多くは高 分子量であるため,経口的に摂取された際に生体への 吸収性が低いとされていた.我々は長崎大学薬学部と の共同研究により,このプロアントシアニジンを食品 産業上利用できる形で低分子化することに成功し,in vivo での抗酸化活性に優れた"Oligonol(オリゴノー ル) "を開発した. Oligonol ではライチ果実由来のプロアントシアニジン を酸性条件化で断片化し,下端ユニットにカテキン類 を配位させることで安定的に低分子のプロアントシア ニジンを得ることに成功した. Oligonol は,各種安全性試験により安全性が確認され ているほか, ヒト第 1 相安全性試験も実施されており, 米国食品医薬品局 (FDA) の NDI (New Dietary Ingredient) としても登録承認されている.また,経口 摂取した際の生体への吸収に優れ,血流改善機能,抗 疲労作用,内臓脂肪低減作用,美容作用などの機能面 の研究が進んでいる. 【キーワード】 ポリフェノール,プロアントシアニジン,抗疲労,血 流改善,メタボリックシンドローム,美容 ポリフェノールは植物界に広く分布する成分で,抗酸 化活性などの機能を有し食品工業においても幅広く利用 されている素材である.なかでも色素成分であるプロア ントシアニジンはカカオ,ブドウ,カキ,バナナなどに 多く含まれており,渋み・苦味の物質として知られる. プロアントシアニジンはカテキンの重合体という構造上 の特徴を有し,高分子であるため,in vitro では高い抗酸 化活性を示すが,経口的に摂取された際に生体への吸収 性が低く in vivo での抗酸化活性は期待されるほどに高く ない.また,高分子のプロアントシアニジンは水への溶 解性が低く,口腔内で唾液タンパク質や粘膜と結合して 強烈な渋味を呈することから 1) 食品産業上利用し難いも のとなっていた.我々は長崎大学薬学部との共同研究に より,このプロアントシアニジンを食品産業上利用でき る形で低分子化することに成功し,in vivo での抗酸化活 性に優れた"Oligonol(オリゴノール) "を開発した.本 報では,この Oligonol の製法,構造,機能性について概 説する. プロアントシアニジンの低分子化 プロアントシアニジンは,その構造解析のための分析 手法として,古くからチオリシスという方法が用いられ ていた.この方法は酸性条件化で断片化されるプロアン トシアニジンの末端ユニットにチオール基を有する化合 物が求核反応的に配位することにより安定化し,低分子 のプロアントシアニジンを得る方法であるが,チオール 基を有する化合物の多くは食用に適さず,食品への応用 が限られていた.我々は長崎大学薬学部との共同研究に よりチオール化合物を用いないプロアントシアニジンの 低分子化技術を開発し実用化に成功した.すなわち,酸 性条件化で断片化したプロアントシアニジンに求核化合 物としてカテキン類に代表されるフロログルシノール環 構造を有する化合物を用いるというものである 2) . 図 1 に 受理日:2008 年 9 月 10 日

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MIURA, T., & KITADATE, K. (2008). The Function of the Next Generation of Polyphenol “Oligonol.” Japanese Journal of Complementary and Alternative Medicine, 5(3), 163–171. https://doi.org/10.1625/jcam.5.163

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