本研究は,摂食障害傾向に及ぼす個人内要因と社会文化的要因を包括的に検討することを目的とした.321名の青年期と成人期の女性に,社会的変数としてやせ志向文化への態度と性役割観に関する尺度を,個人内変数として自尊感情と相互依存的自己概念に関する尺度を提示し,回答してもらった.その結果,"社会文化的な規範に過剰に適応しようとする自己理解が,自らの自尊感情を低下させて,摂食障害傾向を形成するであろう"という仮説モデルが支持された.これらの結果により,摂食障害がやせ志向文化と性別役割という社会文化的影響を受けることが明らかにされ,またその影響を受けやすくする個人の特性の一部を示すことができたといえよう.
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Saito, C. (2004). A Comprehensive Study of Personal and Sociocultural Factors in Eating Disorders. The Japanese Journal of Personality, 13(1), 79–90. https://doi.org/10.2132/personality.13.79
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