A Study on Involvement Characteristics of Private-Sector for Park Management Using Installation-Management Permission System

Abstract

1.はじめに 1-1.研究の背景 都市公園は、高度経済成長期に急速に整備が進められ、 現在全国約 10 万のストックが存在している。 これら都市公 園は、地震・津波等災害への防災性の向上、景観・健康・ 子育て等生活の質の向上、賑わいや地域活性化等生産拡大 といった効果を発揮することが期待されている 1) 。 しかし、 施設老朽化等により更新期を迎えた現在、公園に期待され ていた効果が十分発揮できていない実態が散見される 2) 。 また、人口減少等に伴う自治体の財政難が顕在化する中、 如何にコストを抑えながら既存の都市公園ストックの再整 備・維持管理を進めること、地域のニーズに合わせた活動 の場とすることが主な課題となっている。 その対応策の一つとして、 2017 年都市公園法の改正によ り、 「公募設置管理制度(以下、Park-PFI 制度)」が導入され た。広場等の公園整備を合わせて行う収益施設(カフェ、レ ストラン等)の設置管理事業者を公募により選定する仕組 みであり、 既存の都市公園法に基づく 「設置管理許可制度」 、 地方自治法に基づく 「指定管理者制度」 、 民間資金等の活用 による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく 「PFI 事業」を組み合わせたものである 3) 。本制度により民 間による収益施設の設置がより長期(10年から20年)で可能 となり、また都市公園内の設置可能な収益施設の建蔽率も 2%から 12％まで緩和可能となり、都市公園の再整備・維 持管理において民間の投資や参入が促進される見通しをも つ。そのような中、公的資産における民間収益施設の設置 管理・運営がどのような地域貢献的価値をもたらすか、更 にパークマネジメントを進める上でどのような役割が求め られるのかを明確にする必要があると考えられる。 一方で Park-PFI 制度の前身である「設置管理許可制度」 は、都市公園内に公園管理者以外の施設設置・管理を許可 する制度である。国土交通省の提供資料によると (1) 、2015 年末時点で4,573都市公園の8,619箇所で本制度を用いてお り、その中 2,235 箇所は民間事業者を参入している (2) 。最も 多い設置施設である自動販売機の運営等 (3) を除き、 Park-PFI 制度と同様に、事業者自らが店舗等の収益施設を設置・運 営している事例を対象に実態を把握することで、今後の Park-PFI 制度の運用やパークマネジメントを進める上で有 益な知見が得られると考えられる。 パークマネジメントについて、田代ら(2011) 4) は「公園の 魅力や可能性を発掘し、資質を向上させる視点から管理を 行い、継続的に業務の改善を行う仕組み」と、山崎(2011) 5) は「単なる来園者を待つだけではなく、積極的にプログラ ムを作り出して来園者を誘う公園の運営手段」と規定して いる。即ち、パークマネジメントとは、公園の魅力増進の ために公園維持管理と運営を最適化していく一連の体制づ くりと捉えられる。今後、民間の設置管理事業者の導入が 促進すると予想される中、これまでの類似事例を基に自治 体や指定管理者等の公園に関わる組織・団体とどのような 体制をつくり、効果的な公園の管理・運営を行っているの かを整理すべき重要な時期である。 1-2.研究の目的と方法 本研究は、 「設置管理許可制度」 を用いた都市公園内収益 施設を対象とし、パークマネジメントにおける設置管理事 業者の関与実態を明らかにすることを目的とする。 具体的には、 以下の 3 点を目的として調査、 分析を行う。 (1)設置管理事業者の選定に関する自治体の考え方を整 理した上で、マネジメント体制を①主体間所有関係、②維 持管理体制、 ③利活用体制と分け、 実態を整理することで、 設置管理事業者の導入によるパークマネジメント体制の傾 「設置管理許可制度」を用いたパークマネジメントにおける設置管理事業者の関与実態に関する研究 Recently, urban parks have been superannuated as time passed about 20 years from many parks development projects. Under the financial difficulties of local government, it has been the issue how to implement parks' redevelopment and management with cost-reducing. This study aims to clarify the involvement characteristics of private-sector for park management using "Installation-Management Permission System". As a result of 28 urban parks and facilities survey, it is determined that there are 4 patterns of proprietary relation, 7 patterns of maintenance system, and 7 patterns of utilization system. Through classifying the types, it is clarified that the system of park management and the role of private-sector have been changed based on the existence and nonexistence of the designated administrator and local association.