1.は じ め に 水分子とメタン分子からなる包接化合物であるメタンハイドレ ート (以下,MH と記す) は,日本近海にも多くの量が埋蔵され ており,将来のエネルギー資源として期待されている。しかしな がら,海底下に分布する MH 層からの天然ガス生産手法につい ては未だ確立されておらず,現在主に検討されている手法として は,MH 層まで掘削した坑井から何らかの刺激を貯留層に対して 与えることで MH を原位置でガスと水に分解し,坑井を通して ガスを地上に回収するものである。その中でも,経済的・環境的 観点から最も有望な手法が減圧法であり,これまで,MH コアを 用いた室内分解実験とフィールドを対象とした数値計算による研 究で,その有効性が報告されている 1-3) 。また,2008 年 3 月には カナダ北西準州・マッケンジーデルタ陸域において行われた陸上 産出試験第二冬で,世界初の減圧法による産出試験が実施され, MH 層から約 6 日間の連続的なガス生産に成功した 4) 。 当初の計画では減圧法の場合,坑底圧の低下により堆積層を構 成している砂の骨格構造に加わる応力が増加して圧密され,生産 障害を生じる原因となる出砂現象は抑制されると考えられた。そ のため第二冬に先立って 2007 年 4 月に行われた陸上産出試験・ 第一冬では, スクリーンの設置などの出砂対策は行われなかった。 しかしながら試験を開始してみると,試験の初期の段階で出砂現 象によると考えられるポンプ異常により,生産が中断するという トラブルが生じている 4,5) 。これは,MH 層に対して減圧を行っ た際に,堆積層から砂が流出してポンプに巻き込まれたと推測さ れ,第二冬試験では対策が要求されることになった。今後,計画 されている日本近海での海上産出試験においても,海底下の MH 層は未固結の砂泥互層が対象となっており,減圧による MH の 分解で生じるガス・水の流れと共に砂が坑井内に流出することが 十分に考えられる。このため,MH 胚胎層から天然ガスを生産す る際の出砂現象の把握は, MH 資源化に対して非常に重要な意味 を持つことになるが,MH を含んだ未固結の堆積層から生じる出 砂現象については不明な部分が多い。 本研究では,減圧法を適用した場合に,MH を胚胎した堆積物か ら生じる出砂現象を実験的に検討した。ここでは MH を胚胎した 1 2 3 4 Depressurization has been considered as a promising gas production technique from methane hydrate reservoirs. However, in the actual case of production from real reservoirs, there is still something to clarify. This research presents an experimental study to understand sand production phenomena from methane hydrate bearing sediments. The production of framework sands into a well is one of the problems plaguing the gas industry because of its adverse effects on well productivity and equipment. The aims of this study are to understand the sanding phenomena and clarify a driving force of sanding. In our experiments, we used an artificial sedimentary core and performed several depressurizing experiments under various conditions. The temperature, pressure, and production volumes of sand and water were measured. As the results, sand production is occurred during depressurizing process under the unstable condition of methane hydrate. The driving force of sand production is not a dissociation gas flow but a water flow through pore. It is determined by the water flow rate whether the sand production occurs.
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OYAMA, H., NAGAO, J., SUZUKI, K., & NARITA, H. (2010). Experimental Analysis of Sand Production from Methane Hydrate Bearing Sediments Applying Depressurization Method. Journal of MMIJ, 126(8/9), 497–502. https://doi.org/10.2473/journalofmmij.126.497
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