ショーやテレビに出演するチンパンジー・パンくんの笑いと負の感情表出

  • 崇久 松
ISSN: 2423-9054
N/ACitations
Citations of this article
15Readers
Mendeley users who have this article in their library.

Abstract

動物ショーやテレビ番組に出演するチンパンジー・パンくんの映像作品を用いて、パンくんの感情表出についての分析を行った。映像作品でのパンくんは、着衣で二足歩行を行うことが多く、自然なチンパンジーの姿とは大きく異なっていた。テレビ番組用の映像と動物ショーの本番の映像では、それ以外の動物園などでの映像と比べて、チンパンジー本来の姿とのズレが大きく、感情表出に関しては、ポジティブな笑顔や笑いの表出よりも、恐怖・不安・不満といったネガティブな表出が多い傾向があった。とくにテレビ番組では、パンくんに試練を課し、不安やストレスを与えるシーンもしばしば見られた。このようなパンくん自身の感情表出以外に、テロップ、ナレーションや、チンパンジーの音声の追加によって、パンくんの感情を演出または改変する場面もあった。以上の結果を元に、ショーやテレビにチンパンジーが出演することの問題点について議論した。また、動物の福祉を考える上で、笑いや遊びに注目する意義について考察した。

Cite

CITATION STYLE

APA

崇久松阪. (2018). ショーやテレビに出演するチンパンジー・パンくんの笑いと負の感情表出. Japanese Journal of Laughter and Humor Research, 25, 90–106.

Register to see more suggestions

Mendeley helps you to discover research relevant for your work.

Already have an account?

Save time finding and organizing research with Mendeley

Sign up for free