目的:本研究の目的は,看護職員の離職意図や意欲の向上を予測する情緒的組織コミットメントの関 連因子を臨床経験年数別に明らかにすることである. 方法:関東圏にある政策医療を担う3施設に勤める管理職に就いていない看護職員1,302名に質問紙調査を実施した.調査項目は,情緒的組織コミットメント尺度,上司サポート尺度・同僚サポート尺度, 研究者が設定した21項目,個人属性とした. 結果:回収された調査票は514部(回収率39.5%)で,有効回答510部を分析対象とした.重回帰 分析の結果,情緒的組織コミットメントと有意な正の関連があったのは臨床経験1年未満では「組織公 正知覚」 チャンス」 「上司サポート」 「仕事充実感」であった.臨床経験1年以上5年未満においては「病院への評価」 「仕事量・給与評価」で有意な正の関連がみられた.臨床経験5年以上では「病院への評価」 「配偶者の有無」 「能力開発の 「年齢」で有意な正の関連があった. 結論:看護職員の情緒的組織コミットメントの関連因子は,臨床経験年数によって異なり,臨床経験 年数に合わせた支援の必要性が示唆された.
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Nohmi, K., Mizuno, M., & Ozawa, M. (2010). How Factors Relating to Affective Commitment to Organization Vary Depending on the Years of Nursing Experience. Journal of Japan Academy of Nursing Science, 30(3), 51–60. https://doi.org/10.5630/jans.30.3_51
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