Ego vulnerability and fanship for a Visual-kei fan

  • FUKUMORI A
  • OMORI M
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Abstract

Key Words: fanship, ego vulnerability, Visual-kei fan 目 的 あらゆるマスメディアが発達した現代日本では、 様々な現象がブ ームや流行を引き起こし、多くのファン層が生まれてきた。ファン 活動は、 通常娯楽である一方で、 ストーカー行為や後追い自殺など、 ファンであるが故にネガティブな行動に至る場合もある。 本研究は、 青年期のファン心理がファン自身の精神的健康にいかなる影響を 与えるのか、 自我脆弱性などの発達的要因とどのように関連するの かを検討することを目的として行われた。 近年、 ファン心理のファンに対するさまざまな影響が報告されて いる。たとえば、ファン対象への尊敬や憧れが強いほど熱狂が高ま り、精神的健康も良くなるということが指摘されている(今井・砂 田・大木, 2010)。 一方で、今井らは、趣味や遊びの範囲以上に熱 狂が高まると、 精神的健康にネガティブな影響を及ぼす可能性も示 唆している。このように、ファン心理の中でも特に「熱狂」因子が 精神的健康に影響することが伺える。 本研究では、ファン心理尺度で扱われている「目標」 ・ 「共感」因 子を防衛機制の一つである「同一視」という概念として扱う。ファ ン対象を同一視しているファンは熱狂しやすい(小城, 2004)、 自 我が脆弱であるほど同一視する傾向が高いという知見(Freud, 1966) などから本研究では、 自我脆弱性とファン心理が精神的健康に与え る影響を明らかにすることを目的とした。 また、本研究ではヴィジュアル系ファンに焦点を当てた。理由と しては、 ヴィジュアル系ファンはファン対象のコスプレなど見た目 でファンであることを主張している者が多く、 ファン対象を同一視 している可能性が高いことが挙げられる。 ヴィジュアル系ファンの 方がその他のファンに比べ、自我の脆弱性から同一視を行い、熱狂 し、精神的健康に影響する傾向が強いという仮説を立て、質問紙調 査を行った。 方 法 調査参加者:ヴィジュアル系ファンについては、mixi のオフ会に 参加していた 91 名(男性 52 名、女性 39 名、平均年齢 25.8 歳) 、 その他のファンやファン対象がいない者については、首都圏の 4 年制大学に通う大学生 166 名(男性 87 名、女性 79 名、平均年齢 22 歳)に質問紙調査を行った。 調査期間:本調査は 2011 年 10 月から 11 月に実施された。 調査内容:以下の項目と尺度を使用した。 (1)ファン対象の有無; ファン対象が無いと答えた者については、 多次元自我同一性尺度と GHQ のみに回答させた。 (2)ファン対象の属性;具体的なファン 対象の個人名、団体名(自由記述) 、ジャンル、性別について聞い た。 (3)ファン心理:ファン心理尺度(今井・砂田・大木, 2010) 、 「熱狂」 、 「目標」 、 「共感」の 3 因子からなる。このうち目標と共感 因子を同一視の概念として扱った。 (4)自我脆弱性;多次元自我同 一性尺度(谷, 2001)を用いた。 (5)精神的健康;GHQ 精神健康調査 票(中川・大坊, 1985)を用いた。 結 果 質問紙の(1) 、 (2)の回答により、参加者を「ヴィジュアル系フ ァン」 、 「その他ファン」 、 「ファン対象無し」の 3 群に分けて分析を 行った。 ファン対象による平均の差 :ファン対象による三つのグループ間の、 各項目の平均の差を検討した。 ファン心理の因子 「熱狂」 と 「共感」 は、 その他ファンに比べヴィジュアル系ファンの方が得点が高かっ た(t (208)=3.48, p<.05/t (208)=3.67, p<.05)。 また、 自我脆弱性につい ては、ヴィジュアル系ファンが最も脆弱であり次にその他ファン、 ファン対象無しと続いた(F (2,250)=9.51, p<.05)。精神的健康に関し ては、ヴィジュアル系ファンが最も精神的健康度が低く、次にその 他ファン、ファン対象無しと続いた(F (2,250)=11.27,p<.05)。 相関係数:ヴィジュアル系ファンにのみ「熱狂」と「自我脆弱性」 に負の相関が見られた(r =-.25, p<.05) 。 そして、 その他ファンのみ、 「熱狂」と「精神的健康」に正の相関が見られた(r =.17, p<.05)。 精神的健康・ファン心理・自我脆弱性:自我脆弱性がファン心理 に与える影響を明らかにするため、従属変数を熱狂とし、自我脆弱 性を第1段階、目標・共感を第2段階に投入し分析を行った。その 結果、ヴィジュアル系ファンのみ、自我脆弱性、同一視(目標・共 感)が熱狂に統計的に有意に関連することが明らかになった (Table1)。 Table1 「熱狂」を従属変数とした階層的重回帰分析結果 従属変数:熱狂 ヴィジュアル系ファン その他ファン step1 step2 step1 step2 自我脆弱性

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FUKUMORI, A., & OMORI, M. (2012). Ego vulnerability and fanship for a Visual-kei fan. The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association, 76(0), 2AMB34-2AMB34. https://doi.org/10.4992/pacjpa.76.0_2amb34

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