目的: クローン病(Crohn's Disease;以下,CD と略記)は再発を繰り返す原因不明の難治性炎症性腸疾 患であり,複数回の手術を必要とすることが多い.そこで当院で施行したCD 腸管切除症例1,143 症例の 臨床的特徴,術後経過について検討した.方法:1974 年9 月から2014 年7 月までに当科で腸管病変に対 して手術を行ったCD 1,143 例,延べ手術回数2,001 回を対象とし,臨床的特徴および再手術率などを retrospective に検討した.結果:男女比は827:316(2.6:1),初回手術時年齢は30.0(7~78)歳,病悩期 間は20.4(2.5~43.2)年で初回手術時の病型は小腸型380 例,大腸型104 例,小腸大腸型659 例であった. 手術適応に関しては非穿孔型が604 例(52.8%),穿孔型は539 例(47.2%)であった.術後合併症(Clavien- Dindo III 以上のもの)は66 例(3.3%)に認め,そのうち縫合不全が45 例(2.2%)と最も多かった.累積 5 年の再手術率は22.2%であった.再手術のリスク因子に関しては性別,初回手術時年齢,病型,病変部 位,飲酒歴,喫煙歴は有意差を認めず,初回手術時の"肛門病変あり"のみに有意差を認めた(P=0.001). 死亡症例は24 例(2.1%)で癌死が16 例と最も多かった.結語:累積5 年の再手術率は22.2%で再手術の リスク因子は初回手術時の肛門病変の存在であった.死亡原因は癌死が多数を占めた..
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Kuwahara, R., Ikeuchi, H., Minagawa, T., Horio, Y., Sasaki, H., Chohno, T., … Uchino, M. (2018). Clinical results following intestinal resection in 1,143 patients with crohn disease. Japanese Journal of Gastroenterological Surgery, 51(11), 671–679. https://doi.org/10.5833/jjgs.2017.0203
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