1968年に発覚した「カネミ油症事件」は,現在も多様な被害が続いている歴史的な大型食中毒事件である.しかし,社会技術的な視点からの研究はほとんどなされてこなかった.本稿では,本件事故調査の問題点は限られた資料だけからも指摘しうることを示し,事故調査の限界が調査体制の制度的問題と関連していたことを示唆する.そして,食品分野の重大事故における事故調査体制の分析や一次資料の保存の必要性について述べる.
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NAKAJIMA, T. (2003). STS Studies on Kanemi-Yusho Case with Special Interests on the Accident Investigation. SOCIOTECHNICA, 1, 25–37. https://doi.org/10.3392/sociotechnica.1.25
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