四肢切断後に現われる幻肢痛をはじめとする神経障害性疼痛の発症には,大脳を中心とした中枢神経系の可塑性が関与していることが最近の脳機能画像研究から確立しつつある.本稿では,幻肢痛を含む病的疼痛全般は脊髄上位中枢神経系に由来するというわれわれの持論から,まず幻肢の随意運動の中枢神経系における制御機構について概説し,そこから幻肢が中枢神経系にとって健常肢として存在すれば幻肢痛が寛解するという仮説を提案する.続いて,われわれが行っている鏡を用いて幻肢の随意運動を獲得させることによる臨床治療(鏡療法)からわれわれが提案した仮説を検証し,鏡療法の有効性と限界,今後の展開の可能性について概説する.(著者抄録)
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SUMITANI, M., MIYAUCHI, S., & YAMADA, Y. (2008). Phantom Limbs in the Painful Brain. THE JOURNAL OF JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA, 28(7), 917–924. https://doi.org/10.2199/jjsca.28.917
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