Theory of Muscle Strengthening

  • Tsuda E
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Key words:骨格筋/筋力/筋力増強 要 旨 骨格筋は身体運動を行うための最終的な出力器官としての役割を担っている.その最小単位 は筋原線維を構成する筋節であり,収縮タンパク質であるミオシンとアクチン間で滑走が生 じることで筋は収縮する.筋に発生する張力はその生理的断面積と,筋収縮速度はその筋長 と相関し,筋の基本的な機能的特性を決定づける.臨床的に測定される筋力は,関節運動に よって発生するモーメントによって提示されることが多く,筋張力以外にも関節の構造や屈 曲角度の影響を受ける.筋力増強にはさまざまな原則や特異性が存在するため,それらを十 分理解したうえで処方することが効率よく増強効果を得るために必要である. * 弘前大学大学院医学研究科 リハビリテーション医学講座 (〒036-8562 青森県弘前市在府町 5) E-mail:eiichi@hirosaki-u.ac.jp はじめに 医学の祖 Hippocrates は,重い物を持ち上げる と力がつき体が逞しくなるとし,古代より筋力増強 訓練が治療として用いられてきた.現代では,多 くの基礎研究によりそのメカニズムが科学的に解 明され,リハビリテーションにおいても欠かすこと のできない要素として広く行われている.本稿で は,筋力増強訓練を理解するうえで基本となる骨 格筋の構造から筋収縮のメカニズム・様式,筋力や その増強効果に影響する因子について解説する. 骨格筋の構造 筋は筋細胞あるいは筋線維と呼ばれる細胞によ り構成される(図 ø) .骨格筋の筋細胞は筋鞘と呼 ばれる細胞膜で覆われ,さらにその外周を基底膜 が覆っている.基底膜と細胞膜の間には単核の衛 星細胞が存在し,骨格筋の発達や再生に関係して いる.筋細胞は複数の核を有し,細胞質内には筋 原線維,T 管,筋小胞体,ミトコンドリアなどが含 まれる.筋原線維は筋の機能である筋収縮を担う 最も重要な構成体である.筋原線維は主に太い フィラメントを形成するミオシンと,細いフィラメ ントを形成するアクチンの ù 種類の収縮タンパク 質からなる.筋収縮の最小単位は筋節(サルコメ ア)と呼ばれ,両端にある Z 膜にはアクチンが,中 央にある M 線にミオシンが連結している.筋原線 特集 筋肉と筋力増強訓練 Jpn J Rehabil Med 2017;54:740-745 図 ø 骨格筋の構造

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Tsuda, E. (2017). Theory of Muscle Strengthening. The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine, 54(10), 740–745. https://doi.org/10.2490/jjrmc.54.740

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