目的:「冷え症」の概念分析を行い,冷え症の定義を明確にすることを目的とする.方法:Rodgersの概念分析のアプローチ法を用いた.データの収集方法は5つのデータベース,CINHAL Plus with Full Text(1982-2008),MEDLINE(1966-2008),Web of Science(1999-2008),医中誌Web(1983-2008),J-stage(1966-2008)を使用し,検索用語は,「chilliness」「chilly」「Hiesho」「poor circulation」「sensitivity to cold」とした.日本語では「冷え症」のみとした.その結果41文献全部を対象に概念分析を行った.結果:3つの属性,(1)「冷えている」という自覚がある,(2)温度較差が大きい,(3)寒冷刺激暴露後の皮膚温の回復が遅いと,2つの先行要件,(1)生体的要因(内的因子),(2)環境的要因(外的因子)が抽出された.さらに4つの帰結,(1)マイナートラブル,(2)苦痛,(3)対処行動,(4)病気の誘因が導き出された.分析の結果,本概念を「中枢温と末梢温の温度較差がみられ,暖かい環境下でも末梢体温の回復が遅い病態であり,多くの場合,冷えの自覚を有している状態」と定義した.結論:冷え症は先行要件から,生活環境の乱れなどが誘引となるため,予防医療の視点からも,生活環境の見直しへのケアに有用であるといえる.しかし,研究対象に民族的な偏りがあったため,今後は民族的側面からの研究が必要である.(著者抄録)
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Nakamura, S. (2010). “Sensitivity to Cold”: A Concept Analysis. Journal of Japan Academy of Nursing Science, 30(1), 62–71. https://doi.org/10.5630/jans.30.1_62
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