諏訪湖周辺域に毎年大量飛来する, ユスリカ成虫(オオユスリカ(C. plumosus)とアカムシユスリカ(T. akamusi))の, より効果的な防除方法を検討するために, 光を用いた成虫の走性に関する実験を行った。光源として, (1)色(波長 : いずれも可視光線部)の異なる100Wの電球を使用し, 光質(白, 赤, 黄, 青, 緑)を変えた場合, (2)色は白で統一し, 光量(100,60,40,20W)を変えた場合, (3)波長域を近紫外部まで広げ, BL(波長ピークが352nm;捕虫機用蛍光ランプ), BLB(BLの可視光部をカットした蛍光ランプ), FLW(通常の白色蛍光ランプ), FLY(450nm以下の波長をカットした蛍光ランプ), 白色電球(100W;コントロール)のおのおののランプを用いた場合の3実験を行った。捕獲成虫量は, 可視光部では, 光の質よりも光の量に依存し, 近紫外部まで波長領域を拡大すると, 350nm付近の波長にきわめてよく集まった。一方, FLYでは, ほとんど捕獲できなかった。以上のことより, BLB, FLYの両ランプをうまく組み合わせることによって, 光による成虫制御の可能性が示唆された。
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HIRABAYASHI, K., NAKAZATO, R., OHARA, A., & OKINO, T. (1993). A study on phototaxis for adult Chironomidae (Diptera) by artificial light in Lake Suwa : Response of adult chironomid midges to near ultraviolet and visible light. Medical Entomology and Zoology, 44(1), 33–39. https://doi.org/10.7601/mez.44.33
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