プレート境界について.中村の言う物質境界と力学境界はあんまり適切な表現ではないという.物質境界はトラフ最深部,海側プレートが陸源の堆積物に覆われるところを言うが,伊豆北端ではどこまでが陸源堆積物で覆われているのかを言うことは困難である. そこで,海溝・トラフ充填堆積物の海側末端をとり,これを沈み込み口(subduction entrance)と定義すべきである.また,力学境界もある幅を持った「力学境界域」と称すべきもので,あるので不適切.よって,境界域の活構造区が始まる所を変形フロントと呼ぶべきである.石橋のプレート形状はよろしくなく,伊豆内弧地殻は東端が足柄平野〜相模海盆西縁にあるのではなくもっと東,すなわち大磯丘陵〜相模海盆西縁にまで上面はせり出している.これは真鶴マイクロプレートが想定され,これが北北東に移動しているためで,これで国府津松田断層周辺のテクトニクス,大磯型地震,丹沢山地の隆起速度を見直すことが出来る.拡大域は0.3Ma以降は伊豆東部単成火山群,0.3Ma以前は箱根火山または湯河原〜熱海地域のデイサイト質溶岩ないしドーム群であろう.
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KOYAMA, M. (1995). Reevaluation of the West Sagami Bay Fracture and Seismotectonics in and around the Northwestern Sagami Bay, Japan. Journal of Geography (Chigaku Zasshi), 104(1), 45–68. https://doi.org/10.5026/jgeography.104.45
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