Accuracy of Anatomical Evaluation by Cardiac Non-Contrast Computed Tomography in CRT Implantation

Abstract

Ⅰ．はじめに 心 不 全 治 療 に 心 臓 再 同 期 療 法 （cardiac resynchronization therapy：CRT） が用いられるが， 効果的な CRT を行うためには左室内の瘢痕領域を 避け，機械的または電気的興奮が遅い領域に左室 （left ventricular：LV） リードを留置することが重要 であると報告されている 1） ～ 3） ．しかしながら，内科 的な LV リード留置は，冠静脈 （coronary vein：CV） の形態により留置できる部位が限られてしまうた め，適切な部位に留置できない可能性がある 4） ，複 雑な形態の CV においてはリード留置に多大な時間 を要するといった問題がある 5） ．また，留置に成功 しても横隔神経 刺激 （phrenic nerve stimulation： PNS） によりペーシングできないという問題が生じ うる．このような問題に対し，術前に造影 CT を撮 影することは CV の形態や走行を，さらに横隔神経 の走行を把握できるため，非常に有用な方法である と報告されている 6） ～ 8） ．当院においても，術前に造 影 CT を撮影している患者では，その画像データか ら CV と 左 横 膈 神 経 （left phrenic nerve：LPN） の 原 著 Keywords ⃝心臓再同期療法 ⃝単純 CT ⃝冠静脈 ⃝横隔神経 1 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院臨床工学部 （〒 222-0036 神奈川県横浜市港北区小机町 3211） 2 独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院循環器内科 ＊は責任者を示す