糖尿病診療ガイドライン2019

  • Araki E
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【ステートメント】 • 組織化された糖尿病自己管理教育と療養支援は糖尿病治療に有効である 1-4) . [推奨グレード A] (合意率 100%) •自己管理教育の効果 糖尿病自己管理教育と療養支援 (diabetes self-management education and support:DSMES) は,糖尿病自己管理に必要な知識,技術,能力を促進するための継続的なプロセスであり, ならびに形式的な糖尿病自己管理トレーニングの枠を超えて,患者の置かれた状況に継続的 に対応するのに必要な行動の実施と維持を支援する活動とされている 5) .また,糖尿病自己管 理教育は患者中心医療,患者-医療者間での協働的意思決定を融合するプロセスとされ,糖尿 病自己管理教育は,糖尿病自己管理に関する知識,技能を提供する場にとどまらず,患者個 人の病態に合った医学的に望ましいとされる治療選択肢を提供し,そのうえで患者自身の価 値観に合致した最善の医療を模索するプラットホームとなる.1 型糖尿病患者に対する組織 化された自己管理教育 (diabetes self-management education:DSME) として開発された DAFNE (Dose Adjustment For Normal Eating) プログラムは 5 日間,40 時間,21 カリキュラ ムからなる確立された自己管理教育プログラムとして欧州,シンガポール,中東諸国などで 用いられ,教育介入により糖代謝改善,併発症の発症進行抑制,心理社会的な改善効果を有 することが報告されている 6-8) .1 型糖尿病患者を対象に DSME を含む行動療法を行った前向 き比較試験 36 件のメタ解析 4) では, 介入開始後 6 ヵ月の時点で行動療法群は通常ケアを含む コントロール群に比して HbA1c 改善効果を認めたが, 介入開始後 12 ヵ月以降ではその効果は 失われた.一方, BMI, 身体活動,QOL に対しては有意な効果を認めなかった.したがって, 1 型糖尿病患者においては,少なくとも短期的には DSME を含む行動療法が血糖コントロー ルの改善につながると考えられる.2 型糖尿病患者を対象とした DSME を含む行動療法の効 果に関しては,無作為化比較試験 (RCT) 132 件のネットワークメタ解析 3) の結果,11 時間以 上の介入による行動療法は通常ケアと比べ有意に HbA1c を改善した.その効果は対面式で行 われた場合で大きく,さらにベースライン HbA1c 7.0%以上,65 歳未満,非白人の患者で大き かった.また,行動療法は通常ケアと比べ有意に BMI が低下した. •自己管理教育の低血糖への効果

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Araki, E. (2020). 糖尿病診療ガイドライン2019. Nihon Naika Gakkai Zasshi, 109(5), 945–950. https://doi.org/10.2169/naika.109.945

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