セメントレス人工股関節全置換術(THA)の術後に,腸骨内板の破壊を伴った巨大な嚢胞性病変を有す る急速進行性の骨溶解を認めた1例を経験した59歳の女性患者で,THA術後11年で左股関節痛が出現,その時点で 寛骨カップ周囲に骨溶解を指摘された術後12年で強い左股関節痛のために救急搬送されたコンピュータ断層撮 影(CT)では,骨盤腔内の嚢胞性病変が腸骨内板を破壊しており,磁気共鳴画像法(MRI)は,T1強調画像およびT2強調 画像ともに,腸骨の出血性嚢胞病変の高い信号強度領域を示したライナーとヘッド交換に加え,骨移植とカップの 再置換を要したまた嚢胞性病変を除去し,腸骨内板に塊状同種骨移植を行った骨溶解および嚢胞性病変が同時 期に生じた場合,病変による骨組織の破壊は,インプラント周囲のみにとどまらず,インプラントから遠く離れた部 位(腸骨翼や腸骨内板など)にも及ぶ可能性がある遠隔または嚢胞性病変の存在を検出するために,CTまたはMRI の追加検査が有用と考えられたTHAに伴う骨溶解および嚢胞病変が共存する場合に重度の合併症が起こるため, 早期の診断と治療が重要である.
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Hamada, D., Mori, T., Tsukamoto, M., Yamanaka, Y., Uchida, S., & Sakai, A. (2018). Rapidly progressive osteolysis and a large cystic lesion that destroyed the inner table of the iliac bone following cementless total hip arthroplasty: A case report. Journal of UOEH, 40(4), 307–312. https://doi.org/10.7888/juoeh.40.307
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