症例は69歳男性で、急性心筋梗塞を発症し冠動脈左前下行枝に99%狭窄がみられたためバルーンカテーテルによる狭窄部拡張術が施行された。25歳時にクローン病と診断され5回の大腸切除術を施行された。鬱血性心不全と診断され、腎萎縮がみられる慢性腎不全状態で血液透析導入となった。その後、心筋梗塞合併がみられた他は著変なく週3回の維持透析を施行していた。高血圧コントロールのため入院し、ヘモグロビン(Hb)は前回値より低下し、総蛋白、血小板数がやや低値であったが、白血球数、CRPは正常値であった。緊急大腸内視鏡で縦走潰瘍およびアフタの多発がみられクローン病再発と診断されたメサラジン投与を開始したが再出血がみられたため、メサラジンにプレドニゾロンの経口投与を追加した。しかし、下痢、下血がみられ頻回の輸血を要するため外科的適応も考慮したが以前の大腸手術で短腸になっているためインフリキシマブを選択した。ニューモシスチス肺炎合併を認め、ステロイドパルス療法およびST合剤で加療した。
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Kanai, H., Noguchi, T., Koyanagi, H., Marubashi, K., & Saruya, S. (2009). Infliximab treatment in a hemodialysis patient with relapse of Crohn’s disease after a 40-year interval. Nihon Toseki Igakkai Zasshi, 42(11), 905–910. https://doi.org/10.4009/jsdt.42.905
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