A Study on Plaza Planning in Postwar Reconstruction Planning in Local Towns in Kagoshima Prefecture

  • Iwamoto S
  • Kikata J
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Abstract

* 学生会員 鹿児島大学大学院理工学研究科(University of Kagoshima) ** 正会員 鹿児島大学大学院理工学研究科(University of Kagoshima) 1. はじめに (1) 研究の背景・目的 九州の最南端に位置する鹿児島県は太平洋戦争末期にお いて米軍の激しい攻撃にさらされ、小都市・集落に至るま で空襲による大きな被害を受けた (1) 。戦後、小都市を含む 10 都市 (2) が戦災都市の指定を受け、早期から戦災復興都 市計画 (以下、復興計画) が計画・実施された。それら の都市では区画整理事業の実施とともに、多数の広場 (3) が交通 , 防災および美観の構成を目的に計画、実現した 。 我が国の復興計画についての研究は多く、代表的なもの として石田 1) 、越沢 2) 、石丸 3) などの研究が挙げられる。 しかし、地方都市に関する研究は少なく、特に鹿児島県下 に見られるような小都市における復興計画に関する研究は 皆無と言って良い。一方、広場や街路計画に着目した既往 研究として天野ら 4) 、 杉田 5) 、高阪ら 6) の復興計画の街路 設計思想の研究、西成 7) の東京の広場に関する研究があ り、体系的な街路設計思想や、大都市の広場が社会交歓の 場として設計されたことは明らかにされているが、いずれ も全国的な事業把握や東京などの大都市を事例とした研究 であり、地方都市の広場に関する研究は見られない。 元来、復興計画は地方都市を主眼においていたものであ り、特に小都市がどのような都市設計手法に基づいて計画 実施されたのかを解明することは、我が国の戦災復興都市 計画の特色を理解するうえで不可欠の課題である。 本論では、鹿児島県下の地方都市 (4) の復興計画における 広場の計画に着目し、その計画と実施状況を把握、その特 色を分析するとともに、実施された広場の現況、および現 況に至る過程での改修・改変の実態を把握する。その目的 は以下の二点にある。 まず、広場は純粋に機能的・経済的見地のみから見れば 付加的要素であり、復興計画においても 1949 年以後の計 画縮小を経て見直されてしまうことが多い 。だが、逆に 言えば広場は都市計画のデザイン思想を反映したものであ る。その計画の特色を把握することは復興計画の理想、特 に地方の都市計画おける理想を検討することのつながる。 次に、本論で詳細を述べるとおり、鹿児島県下の広場の 現況をみると、実施された広場の多くが、インフラの再整 備や自動車交通の増大によって、従来の意味づけを失った 空間となっている。こうした事態は、概念的な意味におけ る都市計画資産の喪失であるばかりでなく、すでに物理的 な意味での都市計画資産の喪失といえる。そこで、広場の 現状を調査することで、地方都市における都市計画資産の 継承の問題を提起することも本論の重要な目的である。 (2) 研究の方法及び研究資料 本論の構成として、2 章では戦災地復興計画基本方針と 設計標準から、復興計画における広場の位置づけと特徴を 把握する。3 章では鹿児島県下の広場計画の全数と、その 実施状況を把握し、4 章で広場と都市計画の関係性ついて 考察を行い、計画の特色を明らかにする。5 章では広場の 現況を調査し、 変遷および現状について検証する。そして、 6 章で本論で得られた知見をまとめ、結論とする。 研究資料として、復興計画については事業史誌類 8)9) 、お よび鹿児島県庁、鹿児島市役所所蔵の戦災復興事業関連資 料 (5) を主に用いた。 なお、 図版については主に 『戦災復興誌』 、 『鹿児島市戦災復興誌』 、鹿児島県庁所蔵『駅広場 10) 』から の引用である。 また、 広場の現状については広場の状態 (地 表面、植栽、施設、再整備) と管理体制 (現管理者、用 途変更、使用状況) の項目について現地調査を行い、不明 な点については自治体の関係部署にヒアリングを行った。 Many local towns in Kagoshima Prefecture were damaged by bombing in the Pacific War. This paper focuses on the plazas in these towns, planned in the postwar reconstruction. The aims of this paper are to report the states of 1) planning, operation, and realization, and 2) present condition of the plazas after the renewal works. Through this report, a critical moment for sustainability of the spatial assets produced by town planning is clarified. The points are as follows: Many civic spaces like the traffic circles and water front plazas had been planned and realized in these towns. Nevertheless, most of these spaces were lost their spatial value and the meaning as planned, after the renewals only from functional point of view, and now might not be recognized as the space for citizens.-823-138.

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Iwamoto, S., & Kikata, J. (2009). A Study on Plaza Planning in Postwar Reconstruction Planning in Local Towns in Kagoshima Prefecture. Journal of the City Planning Institute of Japan, 44.3(0), 823–828. https://doi.org/10.11361/journalcpij.44.3.823

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