窒素固定の生物の存在にかかわらず、窒素の制限が生態系の純生産にきいており、 陸上生態系を複雑にしている。この研究は、窒素固定をしない生物と窒素固定をす る生物の存在する生態系を単純なモデルであらわすことを目的とした。以下のこと を基盤にしてモデルをつくった。1窒素固定者は非固定者に比べて窒素を得るのに 高いコストを必要とする。2固定者の成長とNの固定は、非固定者の成長が窒素制 限によって抑制されているときのみで、また他の栄養は利用可能なときである。3 生態系からの固定窒素の損失は植物体や微生物の窒素需要量より利用可能窒素が多 いときのみである。この条件下で窒素固定社が受ける不利な条件に関わらず、窒素 の固定と窒素の損失は他の栄養の利用と似ていた。そして、このモデルでのバイオ マスや純生産は、実際窒素制限が一時的のときのみに成り立った。そこでモデルを 以下のように変更した(付け加えた)。1窒素のロスは利用可能窒素(溶解有機態 窒素などなど)が余剰のときにのみおこる。2成長や窒素固定者の活動の制限は、 被陰による効果、リン制限、被食によっておこる。この条件下では、オープンなと ころでモデルが正常に働いた(降水や窒素固定にも関わらず窒素は制限される)。 このモデルは窒素の動態を知るのに有用である。このモデルによって、高CO2など の環境変化に伴う窒素固定や窒素制限の変化を評価することができるだろう。(ア ブストのみ)
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Vitousek, P. M., & Field, C. B. (1999). Ecosystem constraints to symbiotic nitrogen fixers: a simple model and its implications. In New Perspectives on Nitrogen Cycling in the Temperate and Tropical Americas (pp. 179–202). Springer Netherlands. https://doi.org/10.1007/978-94-011-4645-6_9
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