本稿では2009年より始まった国際的な研究者識別子付与活動であるORCID(Open Researcher and Contributor ID) について解説する。ORCIDは世界中の研究者に一意の識別子を与えることで,さまざまな学術コミュニケーションを 円滑にすることを目的としている。このために学術コミュニケーションに関与する出版社,大学,研究助成機関等が 集まって非営利法人ORCID Inc.を設立して,活動の母体としている。現在300近い組織が参加している。ORCIDのID は個別の研究者にとっては自己の研究業績の集約や他の研究者の業績の発見に役立つ。大学にとっては組織の業績を まとめるのに貢献する。出版社には著者や査読者の同定に貢献する。研究助成機関にとっては, 応募者の同定に役立つ。 ORCIDのサービスは2012年の初頭に最初の機能限定版が公開され,2012年中にはより多くの機能を含んだサービス が公開される予定である。
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KURAKAWA, K., & TAKEDA, H. (2012). An introduction to ORCID (Open Researcher and Contributor ID). Journal of Information Processing and Management, 54(10), 622–631. https://doi.org/10.1241/johokanri.54.622
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