概要ネットワークの中心性とは,ネットワークにおけるノードやリンクの重要性を表わす指標である.ネット ワーク分析では,いくつかの代表的な尺度が用いられている.これまでに,単一の中心性を合理性の基準とし, ネットワークの形成過程をシミュレートするモデルが提案されている.しかし,形成可能なネットワークが限定 的であること,現実のネットワークの分析への利用が難しいことなどの問題があった.本論文ではモデルを拡 張することで,形成可能なネットワークを広げ,現実のネットワーク分析への応用を試みる.具体的には,エー ジェントとしてのノードが,ネットワークの形成に参画する際,追加するリンク候補を評価するときの合理性 の基準を,単一の中心性ではなく,複数の中心性を属性とする多属性効用とした.提案モデルにおいて生成可 能なネットワークの特徴の分析を行ない,現実のネットワークへの適用を試みた結果,ネットワークを構成す る主体の合理性をその構造的特徴から推定できることを示した.本論文は,新たなネットワーク分析の手法の 可能性を示していると考えている.
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SHINODA, K., MATSUO, Y., & NAKASHIMA, H. (2008). Network Generation Model Based on Multiple Centralities. Journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics, 20(3), 410–422. https://doi.org/10.3156/jsoft.20.410
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