Abstract
ゲノム編集技術を農水産物の改良技術として利用する 関心が世界的に高まっている.ゲノム編集技術は,狙っ た遺伝子をピンポイントで書き換える(編集)技術と定 義できる.主要な農作物のモデル品種・系統のゲノム解 読研究,それに続く多様な品種・系統の比較ゲノム研究, 従来から進められてきた重要育種形質発現の分子機能解 明の研究から,自然に誘発された自然突然変異が永い栽 培・品種改良過程の中で固定・蓄積され,現在の農作物 が出来上がってきたことが明らかになっている.そこで, 近代作物に残されてきた有用遺伝子変異を育種親に再現 できれば,効率的な品種改良が可能になる.ゲノム編集 技術を用いて,重要育種形質発現に関わる遺伝子を有用 変異遺伝子と同じに編集することで,品種改良が高速化 できることから,この技術に対する期待が高まっている.このゲノム編集技術を使用した農水産物の社会実装に向 けて,活発な議論が展開されている.例えば,このゲノ ム編集を利用して作られた農水産物が GM 生物の範疇に なるかどうかという議論である.この議論を科学的に展 開するには,人為突然変異育種など従来の変異体育種技 術で作られた変異体とゲノム編集で作られた変異体を比 較することなどが必要になると考えられる.他にも,ゲ ノム編集技術に関する知財に関する議論もある.これら の背景から,ゲノム編集技術を農水産物改良に活用する 研究開発プロジェクトが実施されている.本シンポジウ ムでは,ゲノム編集技術の開発の現状,同技術を活用し た農水産物デザインの事例とともにその社会実装に向け た取り組みを紹介する.
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Ezura, H., Hirose, S., Komatsu, A., Ando, I., Kondo, M., Ariizumi, T., … Ohsawa, R. (2017). Current status and future of genome editing technologies for breeding of agricultural products. Breeding Research, 19(1), 14–20. https://doi.org/10.1270/jsbbr.19.14
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