Contribution to weed science through allelopathic research

  • Fujii Y
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Abstract

アレロパシー(他感作用)は, 植物が放出する化学物質(他 感物質,アレロケミカル)が他の生物に,阻害的あるいは促 進的ななんらかの作用を及ぼす現象である(藤井 2000) 。こ れらは,古くから植生遷移や連作障害の要因として研究され てきた。近年,植物二次代謝物質の存在意義の一つがアレロ パシーであるとする「アレロパシー仮説」が提唱され,アレ ロパシー活性の強い被覆植物を雑草や病害虫防除へ利用した り,作用物質を新たな農薬のリード化合物とする研究が広 がっている(藤井 2016) 。 著者らは,これまでにアレロパシーの検定法の開発と作用 物質の同定に関する研究を行って来た(藤井 2000) 。例えば, 養分競合や光競合などの環境要因を排除して,アレロパシー 現象を評価するサンドイッチ法,プラントボックス法などの アレロパシー特異的な検定法の開発と,化学物質のアレロパ シー現象への寄与率を考慮した全活性法によるアレロケミカ ルの同定に関する研究を行い,ハッショウマメ(ムクナ, Mucuna pruriens (L.) DC. var. utilis (Wall. ex Wight) Baker ex Burck)類から L-ドーパ,ナヨクサフジ(ヘアリーベッチ, Vicia villosa Roth ssp. varia (Host) Corb.)類からシアナミド等 を同定し,他にいくつかの新規生理活性物質を同定した。こ こではこれらの研究以降に実施した雑草学と関連の深い研究 について紹介する。 1.雑草のアレロパシー活性データベース 開発したアレロパシーに特異的な検定法を用いてこれまで に約 4,000 種の植物のアレロパシー活性を検定した(Ono-Morikawa et al. 2012a, b; Shinwari et al. 2013a, b, 2017; Takemura et al. 2013b; Appiah et al. 2015a, b, 2017; 藤井 2016; Mardani et al. 2016; Nakamori-Maehara et al. 2018) 。 外来雑草の中でも侵略性が高いものは,アレロパシー活 性が強いものが多く,アレロケミカルを「武器」として侵 略するという「新兵器仮説」が提唱されている(Callaway & Ridenour 2004) 。そこで在来植物と外来植物のアレロパシー 活性を,これまでに開発した検定法で比較し,約 600 種の外 来植物のアレロパシー活性のデータベースを作成した。その 結果,特定外来生物に指定されている植物は,アレロパシー 活性が強い傾向にあることが明らかになった。これらのアレ ロパシー活性評価の結果から,ナガミヒナゲシ(Papaver dubium L.) ,ツノアイアシ(Rottboellia cochinchinensis (Lour.) Clayton) ,ギンネム(Leucaena leucocephala (Lam.) de Wit) , ナガエツルノゲイトウ(Alternanthera philoxeroides (Mart.) Griseb.) ,外来のオオハナウド類(Heracleum sosnowskyi Manden.) などが注意すべき外来雑草であると考えた。 2.外来植物に含まれるアレロパシー物質の同定 日本にはまだ侵入していないが,コーカサス原産の植物 で,侵略性が強く,ロシア全土,東ヨーロッパ各地に広がって いるソスノウスキーズ・ホグウィード(Heracleum sosnowskyi Manden.)と呼ばれているオオハナウドの近縁種がある。こ の植物は,植物体内にヒトに対して皮膚炎を引き起こすフラ ノクマリンを含むため問題雑草となっている。この物質が皮 膚に触れると,火傷をしたような水疱ができ,傷跡は長期間 消えず,眼に入った場合は失明することがある。この植物は 日本在来のオオハナウドよりも大型で草丈は 2~4 m に達す る。現地調査でロシア領のウラジオストックとその周辺の島 には波打ち際に大群落が存在していた。この植物の原産地で あるコーカサス地方において地元の研究者と共同でアレロパ シー活性の検定を行った(Mardani et al. 2016) 。その結果, この植物は強いアレロパシー活性を持つことが明らかとなっ た(Mishyna et al. 2015a) 。そのアレロケミカルは,葉や根か ら滲出するアンゲリシン等のフラノクマリンと,1 個体あた り最高 10 万粒と大量に生産され植物の直下の地表面を覆い 尽くす果実(種子)に含まれる揮発性成分のオクタナールで あることを明らかにした(Mishyna et al. 2015b, 2017) 。 3.在来植物のアレロパシーを利用した 外来雑草の防除 ソバ(Fagopyrum esculentum Moench)のアレロケミカルと ソバを利用した外来雑草の防除について研究した。ソバ地上 部に含まれる特有アルカロイドのファゴミン等の植物生長阻 アレロパシー研究の推進による雑草学への貢献 藤井義晴 ★ 東京農工大学大学院農学研究院 〒 183-8509 東京都府中市幸町 3-5-8 ★ yfujii@cc.tuat.ac.jp Yoshiharu Fujii ★ : Contribution to weed science through allelopathic research Tokyo University of Agriculture and Technology, 3-5-8 Saiwai-cho, Fuchu, Tokyo 183-8509, Japan (2019 年 7 月 9 日受理)

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Fujii, Y. (2019). Contribution to weed science through allelopathic research. Journal of Weed Science and Technology, 64(3), 95–99. https://doi.org/10.3719/weed.64.95

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