Abstract
1 千葉県立保健医療大学健康科学部栄養学科 2 東京家政学院大学現代生活学部食物学科 はじめに 世界中で肥満者が増加し , わが国においても , 大きな 健康課題である.平成 27 年の国民健康・栄養調査 1) に よると , 男性の 29.5%, 女性の 19.2% が肥満者で BMI ≧ 25kg/m 2 と報告されている.日本での肥満者の増加の背 景として , 脂肪摂取量の増加による過栄養が大きな要因 とされている.生体内において , 消費エネルギーに対し 摂取エネルギーが過剰になると , 余剰分が中性脂肪とし て体内に貯蔵され , 肥満となる.高脂肪食による肥満は , メタボリック症候群の主因子 2,3) であり , 生体の酸化スト レスを増大することが知られている 4,5) .動物実験を用い た研究においても , 高脂肪食をラットに摂取させること で , 脂質過酸化マーカーが増大することなどが報告され ている 6) .また , 体重増加や肥満の危険因子としてアル コール摂取が問題となっている.アルコールは 1g あたり 7kcal のエネルギーをもち , アルコール摂取量の増加に 伴い , エネルギー摂取の過剰をきたし , 肥満 , 糖尿病など になる 7) .このような状況において , 肥満の予防や改善を 期待した食品への注目が集まっている.そこで , これら 脂質代謝異常を改善するために , 唐辛子の辛味成分であ るカプサイシンに注目した.カプサイシンは , 体熱産生 亢進 8) や脂質代謝亢進 9-11) などの生理活性を有しており , 日本補完代替医療学会誌 第 16 巻 第 1 号 2019 年 3 月:27-32 【要 旨】 目 的: ラ ッ ト に , 高 脂 肪 食 と ア ル コ ー ル (Alcohol:Alc) を 摂 取 さ せ , カ プ サ イ シ ン (Capsaicin:CP) の添加が脂肪蓄積量や酸化 ストレスに及ぼす影響を明らかにすることを 目的とした. 方法:4 週齢 Sprague-Dawley 系雄ラット を用いて , 4 週間飼育した.実験群は , 4 グ ループを設定した.グループ A:高脂肪食 + 水(Control:C 群), グループ B:高脂肪 食 + カプサイシン + 水 (CP 群) , グループ C: 高脂肪食 +10% アルコール (Alc 群) , グルー プ D:高脂肪食 + カプサイシン +10% アル コール(CP+Alc 群)とした.脂肪重量 , 酸 化ストレスなどの測定を行った. 結果:体重増加量 , 総飼料摂取量に差は見ら れなかった.後腹壁脂肪重量 , 肝臓トリグリ セリド濃度および酸化ストレス度は , C 群よ り CP 群と CP+Alc 群で有意に低値を示し , Alc 群より CP+Alc 群で有意に低値を示し た. 結論:高脂肪食とアルコール摂取ラットにお いて , カプサイシンは , 脂肪蓄積量および酸 化ストレス度を低下することが明らかとなっ た.カプサイシン摂取が , 酸化ストレスを緩 和し , 脂質異常症の予防に役立つことが期待 される.
Cite
CITATION STYLE
HOSOYAMADA, Y., & YAMADA, M. (2019). Effects of Capsaicin on Fat Accumulation in Rats with High Fat Diet and Alcohol. Japanese Journal of Complementary and Alternative Medicine, 16(1), 27–32. https://doi.org/10.1625/jcam.16.27
Register to see more suggestions
Mendeley helps you to discover research relevant for your work.