Abstract
【目的】がん治療中患者の食事苦情の訴えを考察するための予備的検討として、女子大学生を対象に、食べ物の咀嚼中に発生したニオイをレトロネーザル経路でどの程度感知しているか、また、"おいしさ"の評価との関連を検討した。【方法】食材試料はグレープフルーツ、煮魚、ヨーグルトとし、さらに各々に香味野菜パクチー液を混入した計6種類とした。ニオイ分析はにおい識別装置を用いた。観察研究は鼻栓をした摂食状態と鼻栓をしない摂食状態でパクチーの感知の評価、および鼻栓をしない摂食状態でおいしさの評価をVisual Analogue Scaleで実施した。【結果】鼻栓をしてレトロネーザル知覚を封鎖することで、すべての食材試料中でパクチーの感知評価が大きく低下した(p<0.001)。また、パクチーの感知とおいしさの評価には負の相関が認められ、パクチーを強く感知した場合にはおいしさの評価が低下した。【結論】ヒトの訴える味の感想は、味覚感知だけではなく、咀嚼・嚥下時に空気中に拡散したニオイが口腔から咽頭、そして鼻腔へと抜けた呼気によるレトロネーザル経路による嗅覚の感知もあり、味覚と混同しやすいことがわかった。また、ニオイに誘発される嫌悪は、ニオイの全体から特定の嫌悪を感じるニオイを認識した時においしさの評価が低下することが考えられた。(著者抄録)
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Ishinaga, K. (2019). The Association between Taste and Olfaction Perception Due to Retronasal Route among Female College Students Exploring Food Preferences. The Japanese Journal of Nutrition and Dietetics, 77(6), 145–153. https://doi.org/10.5264/eiyogakuzashi.77.145
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