The Moving Process of Evacuees into Temporary Housing in Mashiki after the 2016 Kumamoto Earthquake

  • Watanabe H
  • Maruyama T
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Abstract

1. 研究の背景と目的 2016 年 4 月に発生した熊本地震では,熊本県内 16 市町 村に計 110 団地 4,303 戸の仮設住宅が建設された.なかで も被害が大きかった益城町では県内最大の 1,562 戸の仮設 住宅が建設された.ここで,本研究で具体的に示していく ように仮設住宅への入居が遅れた世帯が確認されており, 入居が開始された後もしばらく空き部屋となっている仮設 住宅が散見された.仮設住宅に入居が可能となっても避難 所等での避難生活を続けた世帯がいることになる.避難所 運営の長期化とそれに付随して生じる問題については過去 の調査研究でも繰り返し報告 1), 2) されており, 避難所から仮 設住宅への円滑な移行は,避難所の統廃合・閉鎖において 大変重要となる.しかし,大規模災害後における仮設住宅 への入居移行の実態の調査・分析は十分とは言えない. 以上を踏まえて本研究では,熊本地震の熊本県益城町を 対象に仮設住宅への移行プロセスの実態を明らかにするこ とを目的とする.具体的には,避難所等から仮設住宅への 移行期間を把握し,また仮設住宅への移行が遅れた世帯が どのような世帯であったのかを明らかにする.発災から 2 ヵ月後から 7 ヵ月後に実施された益城町仮設住宅訪問調査 の結果を用いて,避難所から仮設住宅に入居するまでの期 間の詳細な分析を行う.分析手法として,あるイベント発 生までの時間データの解析に用いられる生存時間解析を適 用する.これによりどのような世帯の避難が長期化する傾 向にあるのかを把握する.また,自由回答から仮設住宅へ の入居が遅れた世帯の状況を把握し,要因を推察する. 2. 既存研究のレビュー 大規模災害後の被災者の避難行動に着目した既存研究は 数多くある.三木ら 2) は阪神・淡路大震災で発生した避難 者数の減少曲線をモデル化し,避難者数の減少の時期的な 変化の分析を行っている.また避難所の運営の長期化を避 けるため,応急仮設住宅への移行プロセスにおいて避難者 を後押しするような工夫が必要であると述べている.阪田 3) らは阪神・ 淡路大震災で発生した避難者数の推移と新潟地 震,ノースリッジ地震で発生した避難者数の推移の比較分 析を行い,避難者の推移はどれも指数的な減少傾向を示す ことを明らかにしている.古屋ら 4) は新潟県中越沖地震に おいて,柏崎市に建設された応急仮設住宅の入居状況の経 月推移を全体的に把握している.富安ら 5) は東日本大震災 発災から仮設住宅入居までの移行プロセスの分析を行い, 避難先の推移を時系列的に把握している.熊本地震後の避 難者数の推移は柿本ら 6) の研究で分析されており,発災か ら 1 ヵ月が経過後に各市町村で避難者数が急激に減少する なか,被害の大きかった益城町ではなお一定の避難者が避 難所での生活を続けていた実態が明らかにされている.ま た,熊本地震において指定避難所以外に多数の避難者が発 生し,多くの住民に支援が届きにくい状況であったことも 報告されている 7) . これらの既存研究ではいずれも被災者の避難行動に着目 しているが,大まかな傾向を掴むことを主目的としており 避難所から仮設住宅への移行プロセスについて詳細に分析 した研究は少ない.その理由は通常震災直後の混乱期に避 難者に関するデータを集めるのは困難であるためである. よって堀切ら 8) の研究のように発災から数年後に調査を行 うことで当時の状況を把握することが多い.しかしその場 合調査対象者の記憶に頼らざるを得ず,入手することが難 しい情報も多いことが考えられる. 筆者の知る限り, 学術論文として発表されたもののうち, 本研究のように発災直後に収集した個々の世帯データを用 2016 年熊本地震での益城町における被災世帯の仮設住宅移行プロセスに関する分析 In the 2016 Kumamoto Earthquake, there were delays in moving process of several evacuees into temporary housings. Facilitating their timely move from evacuation centers to temporary housings is vital in the efficient closure of evacuation centers. This study aims to describe and investigate the moving process in Mashiki, Kumamoto, using interview survey data (N=1,052). We used duration modeling of delayed periods and a corresponding analysis of the interview data. We found that, typically, those who delayed moving included households with partially destroyed homes, single individuals without cars, respondents with no future housing plans, households with a longer residence period, and households designated to temporary housings that are far from their original home. Respondents whose answers implied that they were capable of rebuilding their lives were found to move earlier.

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Watanabe, H., & Maruyama, T. (2018). The Moving Process of Evacuees into Temporary Housing in Mashiki after the 2016 Kumamoto Earthquake. Journal of the City Planning Institute of Japan, 53(3), 709–716. https://doi.org/10.11361/journalcpij.53.709

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