Abstract
The present article systematically describes surface electronic structure of the topological insulator through a comparison with various types of surface states. Followed by explanations of the state-of-the-art spin-and momentum-resolved photoemission experiments, recent reports of spin-polarized band dispersion of the edge-state (surface state) of the three-dimensional topological insulators are presented. KEYWORDS : quantum spin Hall effect, Rashba effect, topological insulator 1.は じ め に 単結晶を切断するとバルクと真空の境界面として"表 面"が生まれる 1) 。表面の電子状態(表面状態)は 2 次 元電子系を成し,さらに新しい化学結合の形成(表面再 構成)や表面垂直方向の非対称ポテンシャルによって表 面特有の電子・スピン状態を形成する。最近,世界中で 研究が行われている(3 次元)トポロジカル絶縁体も, この表面状態が重要な役割を果たしている。トポロジカ ル絶縁体とは量子スピンホール系の物質で,内部(バル ク)は絶縁体である(バンドギャップがある)が,表面 はギャップレス(バンドギャップがない)で,その表面 状態(エッジ状態)は Fig. 1 のようにスピン流を運んで い る。こ の(純 粋 な)ス ピ ン 流 は ク ラ マ ー ス 対 (Kramers pair)と呼ばれ,Fig. 1 のように上向きスピン と下向きスピンとが互いに逆向きに同じ量流れていて電 流を伴わない。トポロジカル絶縁体ではこのスピン流は トポロジーで定義される量により,非磁性不純物等によ る散乱から保護されている。すなわちトポロジカル絶縁 体と言う名称の「絶縁体」はバルクのことであり,通常 の絶縁体と区別されるのはその物質の端にトポロジカル に保護されたギャップレス状態が存在するからである。 量子スピンホール効果におけるトポロジー理論や量子ホ ール効果との関係などを含めた解説としてすでにわかり やすいものがあるので,詳細はそちらを参照していただ きたい 2∼4) 。本稿では(3 次元)トポロジカル絶縁体に ついて従来の表面状態と比較しながらその表面電子構造 を説明し,また 3 次元トポロジカル絶縁体の実証実験と なったスピン分解光電子分光実験を紹介する。 2.ディラック方程式 物質の電子状態を記述するのに一般的にシュレディン ガー(Schrödinger)方程式が用いられるが,スピン偏極 した電子状態を系統的に理解するにはディラック(Dir-ac)方程式から出発した方がわかりやすい。自由粒子系 ではそれぞれの方程式は以下のようになる。p を運動量 ベクトルとすると, シュレディンガー方程式: P 2 2m Y=ìY=ìY `t ディラック方程式:
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MATSUDA, I. (2011). Surface Electronic Structure of a Topological Insulator. Hyomen Kagaku, 32(4), 182–188. https://doi.org/10.1380/jsssj.32.182
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