Abstract
関東山地東縁部に分布する蛇紋岩のクロムスピネル化 学組成について報告を行う.この地域の蛇紋岩は,1) 三 波川変成岩類 (古武ノ山蛇紋岩) ,2) 御荷鉾緑色岩類,3) 秩父帯付加コンプレックス (駒高蛇紋岩) と 3 つの地質体 の分布域に認められる.クロムスピネルの化学組成の検 討は,Cr-Al-Fe 3+ の関係,Cr# = Cr/(Cr+Al)原子比,Mg# = Mg/(Mg+Fe 2+)原子比,Y Fe = Fe 3+ /(Cr+Al+Fe 3+)原子比及 び TiO 2 wt% を用い行った.Cr#,Mg#及びに TiO 2 wt%着 目すると,三波川変成岩類に伴う古武ノ山蛇紋岩のクロ ムスピネルについては,Cr# と Mg# は,それぞれ 0.49 ~ 0.50 及び 0.56 ~ 0.60 の狭い組成範囲に集中する.TiO 2 は 0.04 wt%以下を示す.御荷鉾緑色岩類中の蛇紋岩のクロ ムスピネルでは,Cr# と Mg# はそれぞれ 0.33 ~ 0.66 及び 0.01 ~ 0.38 と相対的に広い組成範囲を示し,両者には負 の相関が認められる.TiO 2 は 3.6 ~ 13.3 wt% を示す.ま た Mg# や Fe 3+ 含有量などから,クロムスピネルは変質及 び変成作用の影響を受け,初生的な化学組成を保持して いないと考えられる.秩父帯付加コンプレックス中の駒 高蛇紋岩のクロムスピネルは,Cr# が 0.37 ~ 0.49,Mg# が 0.63 ~ 0.66 と 狭 い 組 成 範 囲 を 示 し, ま た TiO 2 は 0.4 wt%以下である.駒高蛇紋岩のクロムスピネルは,古武 ノ山蛇紋岩のクロムスピネルとよく似た化学組成を示す. 既存のデータによると,駒高蛇紋岩と古武ノ山蛇紋岩の クロムスピネルは,黒瀬川帯東方延長と考えられる蛇紋 岩 (山中白亜系南縁,名栗断層,木呂子メランジュ) のク ロムスピネルより低い Cr# と高い Mg# を特徴とする. 1.はじめに 関東山地の先白亜系には,超塩基性岩である蛇紋岩 の分布が認められる (第 1 図) .関東山地の代表的な蛇紋
Cite
CITATION STYLE
HARA, H., & HISADA, K. (2021). Geochemistry of chromian spinels from serpentinites distributed in eastern margin of the Kanto Mountains. BULLETIN OF THE GEOLOGICAL SURVEY OF JAPAN, 72(5), 447–458. https://doi.org/10.9795/bullgsj.72.447
Register to see more suggestions
Mendeley helps you to discover research relevant for your work.